私たちの先祖は生活をする場所にある様々な資源を用いて、生活に必要な「モノ」を生み出してきました。 それらの「モノ」は長い時間をかけて技術を育み、風土と解け合い、蓄積し、熟成し、何人もの職人や生活者の手を経て、私たちに豊かな恵みを伝えてきています。
 しかしながら残念なことに、これらの「モノ」は現代社会では冷遇されています。工芸品などの手仕事や昔ながらの食べ物の豊かさを改めて考える時期ではないでしょうか?
 私たち【山陰の具】は、ものづくりにスポットライトをあてるため、また、少しでもたくさんの人にものづくりを理解していただくために発足いたしました。

 いまや100円均一で何でも買える時代。都市と地方の情報差は昔ほど感じなくなりました。 大人も子供もいろいろな情報媒体を通じて様々なものを受け取れるようになってきています。1億人の日本人に大差がなく、中流、平均化された今、みんなと変わらないことが楽ではあります。 みんなと同じ「安堵感」があるからでしょうか。手軽なもの、安価なもの、捨てるのに困らないもの、面倒くさくないものが大衆に受けてきました。 忙しいのは大人だけでなく子供たちも同じです。周りを気にしながら自分のことにむきになって駆け抜けていく。「とりあえず」がいつの間にか「こんなものだから」に変わってきてしまいます。
 でもふと、懐かしくなるものがあります。子供のころよく使ったもの。おじいちゃんが使ってたもの、遊びにいった時おばあちゃんが出してくれたもの、実家にいつもあったあれ。 それらは100円均一ではなく、りっぱなものでも高価なものでもなかったけれど、大切に使っていたものです。 それは、あつらえられたものではないかもしれないけれど、自分の中にはひとつしかありません。量産されたものではなく、今の時代には少なくなった手に馴染んだものといえるでしょう。
 時代が変わってもいつも私たちのそばにあるもの、そんなものの中に「手仕事」があります。 誰かに認められたいからではなく、「使って喜んでもらえる」「使いやすいもの」を作り続けている人たちがいます。 それは今で言うロハスとかスローとか言うカタカナのものではなく、もっと昔から普段使いとして続いているものです。 この速いスピードの流れの中で「手」にこだわり続けている人たちがいます。どこかであつらえてくるものではなく、全て自分の手を通して、時間をかけて、納得のいくまで作ります。それが【山陰の具】の匠たちです。
 「格好いい」とか「洗練されている」ではなく、「無骨かもしれないが研ぎ澄まされたもの」であると思います。 各地での風土や気候を活かし、作家の手のぬくもりが感じられるものを私たち【山陰の具】は紹介していきます。

 このサイトの管理人が、日々感じた手仕事のこと、作家のこと、工房のこと、作品のこと、そしてとりとめのない何でもないことをブログに綴っています。
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